先制点は試合を決めるのか
25大会168,249試合で、先制点を許した側の反応を測りました。逆転勝ちの割合はリーグ戦でもカップ戦でも同じです。変わるのは引き分けで、しかもその一部はサッカーではなく規定の話です。


戦術的な真実のような顔をして出回る言い回しがあります。カップ戦では先制した側が試合を決める、というものです。形としては良い論に見えます。一発勝負は失点の代償が大きく、追う側は前に出るしかない。ところが終了した168,249試合で測ると、この主張は半分が誤りで、残る半分も想像とは違う場所にあります。
このガイドは、同じ統計のなかでほとんど常に一緒に動く二つのものを切り分けます。先制点を許した側は、逆転して勝つこともできれば、引き分けに持ち込むこともできます。これは別々の反応で、チームに求めるものも違い、大会ごとに変わるのは片方だけです。もう片方は驚くほど一定で、そしてその片方しか存在しない大会が三つあります。
何を測ったか
当社アーカイブの終了済み168,249試合、25大会、得点の分単位の記録つきです。履歴は2004年から2026年9月までで、先制点を特定できた試合数は958(DFBポカール)から9,497(チャンピオンシップ)までの幅があります。そのうち133,662試合で、どちらが先に決めたかを言うことができました。
各試合に問うのは二つです。誰が先制したか、そしてもう一方のチームが終了までにどうなったか。失点した側の結末はちょうど三つ、敗戦、引き分け、勝利です。三つめを逆転と呼びます。そして二つめと三つめの合計を勝ち点獲得と呼びます。反応を語るとき、ほとんどの人が使うのがこの合計です。
この合計は無害に見えて、そうではありません。サッカーが生む反応と、規定が許す反応とを混ぜており、そしてそのどちらも規定が許さない大会が存在します。
反応は二つ、変わるのは一つだけ
逆転で二つの形式を比べると差は消えます。合計で比べると差が現れます。同じアーカイブ、同じ問い、正反対の答えです。
| 指標 | 国内リーグ | カップ戦 | 差 |
|---|---|---|---|
| 先制を許して逆転勝ち | 13.4% | 13.4% | 0.0%(z = -0.1) |
| 先制を許して勝ち点(引き分けか勝利) | 33.9% | 28.9% | 4.9ポイント(z = 13.6) |
| 先制点のあった試合数 | 110,075 | 23,574 | - |
先制点を許してから逆転勝ちする割合は、国内リーグで13.4%、カップ戦で13.4%です。小さな差ではなく、133,649試合を使って差がありません。z = -0.1は、二つの母集団が同一だとしてもほぼ毎回この程度のずれが出る、という意味です。
合計で見るとカップ戦は4.9ポイント低く、この差は本物です。逆転が同じである以上、差はもう一方の項から丸ごと来ています。カップ戦では引き分けを拾えないのです。戦術的にも筋が通りますし、出回っている言い回しよりずっと正確です。
十七の国内リーグ
比較できる列である逆転で並べています。幅は12.2%から14.9%、首位と最下位を隔てるのは2.7ポイントで、各行の背後には数千試合があります。
| 大会 | 試合数 | 逆転 | 勝ち点 | 95%区間 | 引き分け |
|---|---|---|---|---|---|
| エールディヴィジ | 5,762 | 14.9% | 34.3% | 33.1 〜 35.5 | 23.2% |
| J1リーグ | 5,179 | 14.9% | 33.2% | 31.9 〜 34.5 | 24.4% |
| プレミアリーグ | 7,795 | 14.5% | 33.3% | 32.2 〜 34.3 | 24.7% |
| ブンデスリーガ | 5,907 | 14.3% | 34.3% | 33.1 〜 35.5 | 24.9% |
| リーガMX | 5,745 | 14.3% | 35.9% | 34.6 〜 37.1 | 27.7% |
| 2.ブンデスリーガ | 5,273 | 13.6% | 35.5% | 34.2 〜 36.8 | 27.4% |
| ラ・リーガ | 6,948 | 13.5% | 32.5% | 31.4 〜 33.6 | 25.0% |
| セリエA | 7,245 | 13.3% | 33.7% | 32.6 〜 34.7 | 26.3% |
| チャンピオンシップ | 9,497 | 13.2% | 34.5% | 33.6 〜 35.5 | 27.4% |
| リーグ・アン | 6,545 | 13.1% | 33.3% | 32.2 〜 34.5 | 27.4% |
| プリメイラ・リーガ | 4,814 | 13.0% | 31.6% | 30.3 〜 32.9 | 25.3% |
| リーグ・ドゥ | 5,785 | 12.8% | 34.8% | 33.6 〜 36.1 | 30.3% |
| ブラジル全国選手権2部 | 5,873 | 12.7% | 32.4% | 31.2 〜 33.6 | 26.8% |
| J2リーグ | 6,569 | 12.6% | 32.5% | 31.4 〜 33.6 | 26.9% |
| ブラジル全国選手権1部 | 6,660 | 12.4% | 32.8% | 31.7 〜 33.9 | 26.6% |
| セリエB | 7,174 | 12.3% | 37.0% | 35.9 〜 38.1 | 31.8% |
| ラ・リーガ2部 | 7,304 | 12.2% | 33.8% | 32.7 〜 34.9 | 29.3% |
引き分けの列が、真ん中の列の大部分を説明します。イタリアのセリエBは勝ち点獲得で37.0%と首位ですが、同時にアーカイブで最も引き分けの多い大会でもあります(31.8%)。逆転では下から二番目です。同じ数字のなかに二つの別々のリーグが入っています。
逆のケースがエールディヴィジです。逆転で14.9%と首位、合計は34.3%、1試合あたり3.08得点はリーグ最多です。点の動く試合は逆転を生み、動かない試合は引き分けを生みます。
カップ戦が奪うのは引き分けである
アーカイブの八つのカップ戦のうち五つは、グループステージか二試合制があるため引き分けが結果として成立します。この五つはリーグ戦と留保なしに比較できます。
| 大会 | 試合数 | 逆転 | 勝ち点 | 95%区間 | 引き分け |
|---|---|---|---|---|---|
| FAカップ | 4,738 | 14.4% | 28.2% | 26.9 〜 29.5 | 18.0% |
| カンファレンスリーグ | 1,949 | 13.5% | 29.0% | 27.0 〜 31.0 | 21.3% |
| チャンピオンズリーグ | 4,217 | 13.0% | 28.9% | 27.5 〜 30.2 | 21.8% |
| ヨーロッパリーグ | 6,591 | 12.9% | 29.8% | 28.7 〜 30.9 | 23.1% |
| リベルタドーレス杯 | 2,316 | 11.1% | 28.0% | 26.2 〜 29.8 | 23.7% |
FAカップの逆転は14.4%で、プレミアリーグを上回ります。リベルタドーレス杯は11.1%で25大会の最低です。そして五つとも、どの国内リーグよりも引き分けが少なくなっています(18.0%〜23.7%に対して23.2%〜31.8%)。
引き分けが結果にならない場所
アーカイブの三大会は、グループステージも再試合もない純粋なノックアウトです。延長とPKで決着し、記録されるスコアはすでにその後のものです。
| 大会 | 試合数 | 逆転 | 勝ち点 | 95%区間 | 引き分け |
|---|---|---|---|---|---|
| DFBポカール | 958 | 15.2% | 16.6% | 14.4 〜 19.1 | 2.1% |
| クープ・ドゥ・フランス | 1,802 | 14.7% | 16.8% | 15.2 〜 18.6 | 2.8% |
| コッパ・イタリア | 1,003 | 13.9% | 16.1% | 13.9 〜 18.5 | 5.0% |
合計で読むと、この三つは反応の底のように見えます(16.1%〜16.8%、ほかはすべて28.0%〜37.0%)。大きな発見のようですが、これは人工物です。逆転で読むと、三つは25大会の上位に並びます(13.9%〜15.2%)。DFBポカールはプレミアリーグより逆転が多いのです。
計算は単純です。DFBポカールで先制を許した側は15.2%で逆転し、1.4%で引き分けます。そこでは引き分けが結末ではないからです。イタリアのセリエBでは12.3%と24.7%です。二つを足して反応と呼ぶことは、規定に書かれた差をサッカーの差として扱うことになります。
二つのグループの境目は我々の意見ではなく、測定結果です。三大会の引き分け率は2.1%から5.0%、ほかで最も低いFAカップが18.0%。5.0%と18.0%の間にはアーカイブ上どの大会も存在しません。
リーグ同士は実際に違う、そしてそれは最近わかった
十七の国内リーグで勝ち点獲得率のばらつきを見ると、カイ二乗は自由度16で88.3です。すべて同じだと仮定すれば期待値は16ですから、12.8標準偏差ぶん上にいます。
何が変わったのかは記しておく価値があります。以前のアーカイブ、およそ1万8千試合では、同じばらつきが偶然の範囲に収まっていました。サッカーが変わったのではありません。1大会あたり295から1,120試合では区間が約3.5ポイントあり、そこに読み取れる順位はすべてノイズだったのです。
別名の「力の差」ではない
最も分かりやすい対抗説明は、強豪と格下が当たる大会は得点差が大きく、大きな得点差が反応を押し下げる、というものです。問いが正しく立つ国内リーグの内部で測りました。
| 対象 | ピアソン | スピアマン | 最も影響の大きい点を除く |
|---|---|---|---|
| 1試合あたり得点 | 0.10 | 0.10 | 0.04(2.ブンデスリーガを除く) |
| 平均得点差 | -0.19 | -0.20 | 0.03(セリエBを除く) |
| 大差試合の割合 | -0.07 | -0.12 | -0.03(リーグ・ドゥを除く) |
三つとも持ちこたえません。平均得点差は-0.19とすでに弱く、イタリアのセリエBを外すと0.03になります。三列目があるのは、相関の全体がたった一つの観測から生まれうるからで、実際に起きました。以前の測定では全体のピアソンが-0.80で、原因はクープ・ドゥ・フランスでした。
前半リードは勝利ではない
問いのもう半分です。前半終了時にリードしていた側が、最後にどうなったか。表は敗戦で並べています。両方の規定で意味を持つ列だからです。
| 大会 | 試合数 | 敗戦 | 逃げ切り | 引き分けに | 前半終了0-0 |
|---|---|---|---|---|---|
| J1リーグ | 2,838 | 9.4% | 74.2% | 16.4% | 29.8% |
| FAカップ | 2,868 | 8.6% | 79.4% | 12.0% | 23.1% |
| リーガMX | 3,291 | 8.5% | 72.5% | 19.0% | 25.5% |
| J2リーグ | 3,694 | 8.3% | 73.9% | 17.8% | 30.0% |
| チャンピオンシップ | 5,406 | 8.2% | 73.0% | 18.7% | 27.0% |
| リーグ・ドゥ | 3,220 | 8.2% | 71.6% | 20.1% | 28.7% |
| DFBポカール (引き分けなし) | 624 | 8.2% | 91.2% | 0.6% | 22.4% |
| 2.ブンデスリーガ | 3,061 | 8.2% | 72.1% | 19.8% | 25.0% |
| クープ・ドゥ・フランス (引き分けなし) | 1,067 | 8.1% | 91.0% | 0.9% | 26.4% |
| ブンデスリーガ | 3,528 | 7.9% | 75.2% | 16.9% | 21.8% |
| セリエA | 4,174 | 7.9% | 73.6% | 18.6% | 26.2% |
| エールディヴィジ | 3,411 | 7.9% | 75.7% | 16.5% | 22.4% |
| ラ・リーガ | 3,958 | 7.8% | 75.5% | 16.7% | 26.8% |
| ブラジル全国選手権2部 | 3,304 | 7.7% | 75.0% | 17.3% | 27.8% |
| カンファレンスリーグ | 1,134 | 7.6% | 79.5% | 13.0% | 26.2% |
| リーグ・アン | 3,741 | 7.5% | 74.0% | 18.5% | 26.4% |
| ブラジル全国選手権1部 | 3,839 | 7.5% | 73.9% | 18.6% | 27.0% |
| プレミアリーグ | 4,431 | 7.3% | 76.3% | 16.3% | 25.1% |
| チャンピオンズリーグ | 2,456 | 7.3% | 79.4% | 13.3% | 25.7% |
| セリエB | 4,086 | 7.2% | 70.8% | 22.0% | 26.3% |
| プリメイラ・リーガ | 2,809 | 7.0% | 76.4% | 16.6% | 26.2% |
| ラ・リーガ2部 | 4,062 | 7.0% | 73.5% | 19.4% | 29.2% |
| ヨーロッパリーグ | 3,812 | 6.7% | 79.4% | 13.9% | 26.7% |
| コッパ・イタリア (引き分けなし) | 611 | 6.5% | 92.5% | 1.0% | 24.6% |
| リベルタドーレス杯 | 1,336 | 5.9% | 79.5% | 14.6% | 28.1% |
前半リードからの敗戦は、リベルタドーレス杯の5.9%からJ1リーグの9.4%までです。幅は狭く、引き分けのない三大会はちょうどその中ほど(6.5%〜8.2%)に入ります。逃げ切りの列では同じ三つが91.0%〜92.5%と要塞のように見えますが、同じ目の錯覚です。
0-0の列は別のことを語っており、表のなかで最も過小評価されている数字です。21.8%から30.0%の試合が無得点で前半を終えます。4試合に1試合は、45分の時点でこのガイドが測る出来事がまだ何も起きていません。
このガイドが言っていないこと
カップ戦とリーグ戦が同じように戦われている、とは言っていません。先制点への反応について両者の差は引き分けにあり逆転にはない、と言っています。通常なされる主張よりも狭く、そして擁護しやすい主張です。
次の試合については何も言いません。先制を許したチームの13.4%が勝利に至るというのは二十年ぶんの過去の頻度であって、土曜日の試合の確率ではありません。
誰かのシーズンを測るものでもありません。2026年9月24日時点でアーカイブが持っていた試合が対象で、時代ごとにカバー範囲は不均一です。古い履歴には得点の記録がありますが、より細かいデータが現れるのは2015年以降です。
提供できるのは、これまで印象で決着していた議論のための物差しです。次に誰かが「カップ戦では先制した側が試合を決める」と言ったら、逆転はどこでも同じであり、カップ戦が奪うのは勝つ可能性ではなく引き分ける可能性だ、と答えられます。
反応は二つ、変わるのは一つだけ
先制点を許した側に残る道は二つ、逆転勝ちか引き分けかです。下の棒は各大会をその二つに分けています。濃い部分が逆転、薄い部分が引き分けです。
逆転勝ちの割合はどこでも同じで、国内リーグが13.4%、カップ戦が13.4%です。大会によって変わるのはもう一方で、そのうち三大会では引き分けという結果自体が存在しません。
| 大会 | 先制を許して勝利 | 試合数 |
|---|---|---|
| 15.2% | 958 | |
| 14.9% | 5,762 | |
| 14.9% | 5,179 | |
| 14.7% | 1,802 | |
| 14.5% | 7,795 | |
| 14.4% | 4,738 | |
| 14.3% | 5,907 | |
| 14.3% | 5,745 | |
| 13.9% | 1,003 | |
| 13.6% | 5,273 | |
| 13.5% | 1,949 | |
| 13.5% | 6,948 | |
| 13.3% | 7,245 | |
| 13.2% | 9,497 | |
| 13.1% | 6,545 | |
| 13% | 4,814 | |
| 13% | 4,217 | |
| 12.9% | 6,591 | |
| 12.8% | 5,785 | |
| 12.7% | 5,873 | |
| 12.6% | 6,569 | |
| 12.4% | 6,660 | |
| 12.3% | 7,174 | |
| 12.2% | 7,304 | |
| 11.1% | 2,316 |
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