フォレストは11人中4人が先発を維持、英昇格組は210人中119人
昇格したクラブは、昇格時の先発の主力を1部でどれだけ残すのか。イングランドは210人中119人、ブラジルは先発の座を守った選手が4人に1人で、6リーグ全体では1341人中599人だ。


イングランドのノッティンガム・フォレストは、2022年に2部からプレミアリーグ(イングランドの1部リーグ)へ昇格した。昇格時の先発の主力(この集計では、リーグ戦の10試合中4試合以上で、試合開始時の11人に入った選手)は11人。このうち4人が、1部でも同じクラブで先発の座を守った。
イングランドでは、2017-18〜2022-23シーズンに17クラブが昇格した。先発の主力は計210人で、119人が先発の座を守り、割合は57%だ。ブラジルでは275人中71人、4人に1人だ。6リーグ全体では1341人中599人で、半数に迫る。
プレミアリーグに昇格した3クラブが、11月6〜8日の週末に登場する。6日(金)はコヴェントリー・シティがエヴァートンと、7日(土)はハル・シティがアーセナルと、敵地で戦う。8日(日)はイプスウィッチ・タウンがホームでボーンマスを迎える。3クラブは集計の対象外で、数字がない。ただ、ファンの問いは変わらない。昇格組は、昇格時の先発の主力を残すべきなのか。
集計の元は、Soccer Addictedが保存している試合のデータベース、アーカイブだ。6か国の1部リーグ、つまり6リーグの全試合の先発メンバーを収めている。
集計では、昇格時の先発の主力を多く残したクラブと、多く入れ替えたクラブに分けた。基準は、1部の先発の枠のうち、昇格時の主力が占めた割合だ。比べる相手は、同じリーグで昇格したクラブだけだ。2つのグループを合わせると、107クラブになる。
同じリーグ内で比べると、先発の主力を多く残した55クラブのうち20クラブが、1年目に降格した(1つ下のリーグに落ちた)。多く入れ替えた52クラブでは19クラブだ。割合は、両グループで同じだった。
昇格時の先発の主力のうち、1部でも先発の座を守るのは何人か?
ブラジルの1部リーグ、ブラジル全国選手権(ブラジレイロン)では、昇格時の先発の主力275人のうち71人が、同じクラブで先発の座を守った。4人に1人だ。
6リーグ全体では、1341人中599人(45%)で、半数に迫る。ブラジルは、守った割合が最も低い。数字がぶれる幅(別のクラブで数えたとき、数字が動く範囲)も、ほかのどのリーグの幅とも重ならない。
| リーグ(その国の1部) | 集計の対象シーズン | 昇格したクラブ | 昇格時の先発の主力 | 同じクラブで先発の座を守った人数 |
|---|---|---|---|---|
| プレミアリーグ(イングランド) | 2017-18〜2022-23シーズン | 17クラブ | 210人 | 210人中119人(57%) |
| ラ・リーガ(スペイン) | 2017-18〜2022-23シーズン | 18クラブ | 234人 | 234人中125人(53%) |
| ブンデスリーガ(ドイツ) | 2017-18〜2022-23シーズン | 12クラブ | 155人 | 155人中82人(53%) |
| リーグ・アン(フランス) | 2015-16〜2018-19、2021-22、2022-23シーズン | 13クラブ | 170人 | 170人中86人(51%) |
| セリエA(イタリア) | 2015-16〜2022-23シーズン | 23クラブ | 297人 | 297人中116人(39%) |
| ブラジル全国選手権(ブラジル) | 2018〜2023年シーズン | 24クラブ | 275人 | 275人中71人(26%) |
| 6リーグ合計 | 2015-16〜2022-23シーズンと2018〜2023年シーズン | 107クラブ | 1341人 | 1341人中599人(45%) |
ヨーロッパでは、セリエA(イタリア)が最も低く、297人中116人だ。ぶれる幅は、プレミアリーグとラ・リーガより下で、リーグ・アンとは重なる。プレミアリーグ、ラ・リーガ、ブンデスリーガ、リーグ・アンの4リーグは、互いに幅が重なり、優劣はつけられない。
1クラブの先発の主力は、9〜17人だ。1試合の先発11人とは違う。2022-23シーズンのフォレストは、11人中4人が先発の座を守り、1部にとどまった。
先発の座を守れなかった選手は、どこへ行くのか?
ブラジルで先発の座を守れなかった選手のうち、最も多いのは他クラブへ移った選手で、275人中97人だ。6リーグ全体では、最も多いのは先発の座を守った選手で、1341人中599人だ。
| 昇格時の先発の主力の行き先 | ブラジル全国選手権(275人) | 6リーグ(1341人) |
|---|---|---|
| 同じクラブで先発の座を守った | 71人(26%) | 599人(45%) |
| クラブに残ったが、先発の主力ではなかった | 85人(31%) | 410人(31%) |
| アーカイブにある他クラブへ移った | 97人(35%) | 268人(20%) |
| アーカイブのどのクラブの先発にもベンチにも名前がない | 22人(8%) | 64人(5%) |
クラブに残るとは、先発でもベンチでも、1度以上メンバーに入ったことだ。他クラブへ移るとは、同じシーズンに、アーカイブにある17リーグのどれかのクラブでプレーしたことだ。集計が見るのは、選手がどこでプレーしたかであり、理由ではない。売却、契約解除、レンタル期間の終了、けがは区別されず、混ざっている。
ブラジルのクラブ、レモは、2025年の2部(ブラジル全国選手権のセリエB)から、先発の主力9人を1部へ持ち込んだ。先発の座を守っているのは2人で、ゴールキーパーのマルセロ・ハンジェルと、サイドバックのマルセリーニョ(ピッチの端を受け持つ)だ。残る7人のうち、3人はクラブに残ったものの先発の主力から外れ、3人は他クラブへ移った。1人は、アーカイブのどのクラブの先発にもベンチにも名前がない。先発を残せば、1部にとどまれるのか。
昇格時の先発を多く残したクラブは、1年目の降格が少なかったか?
降格した割合に差は出なかった。同じリーグ内で比べると、残した先発が少ない52クラブのうち、19クラブが降格した。多く残した55クラブでは、20クラブだ。
この集計は、2つのグループを分けられなかった。各グループは1リーグあたり6〜12クラブと少なく、数字は起きたことを示すだけだ。残すか入れ替えるかで差が出ないことの証明にはならない。
2026年シーズン(ブラジル)と2026-27シーズン(ヨーロッパ)に昇格したクラブは?
2026年11月5日時点で、昇格した15クラブの結果はまちまちで、規則は読み取れない。マラガは先発の主力12人中10人が先発の座を守っており、ラ・リーガ(スペインの1部リーグ)20クラブの最下位だ。フロジノーネは11人中9人が守って6位、レモは9人中2人で19位だ。
| クラブ | リーグ | 昇格時の先発の主力のうち先発の座を守った人数 | 11月5日までの試合数 | 11月5日時点の順位 | 11月5日時点の勝ち点 |
|---|---|---|---|---|---|
| レモ | ブラジル全国選手権 | 9人中2人 | 34試合 | 19位(CBF) | 29 |
| シャペコエンセ | ブラジル全国選手権 | 12人中4人 | 33試合 | 20位(CBF) | 21 |
| コリチーバ | ブラジル全国選手権 | 13人中6人 | 34試合 | 12位(CBF) | 42 |
| アトレチコ・パラナエンセ | ブラジル全国選手権 | 12人中6人 | 34試合 | 5位(CBF) | 54 |
| マラガ | ラ・リーガ | 12人中10人 | 11試合 | 20位(ラ・リーガ) | 5 |
| ラシン・サンタンデール | ラ・リーガ | 12人中4人 | 11試合 | 16位(ラ・リーガ) | 11 |
| デポルティーボ・ラ・コルーニャ | ラ・リーガ | 16人中7人 | 11試合 | 8位(ラ・リーガ) | 14 |
| フロジノーネ | セリエA(イタリア) | 11人中9人 | 10試合 | 6位(アーカイブ) | 20 |
| ヴェネツィア | セリエA(イタリア) | 10人中6人 | 10試合 | 20位(アーカイブ) | 3 |
| モンツァ | セリエA(イタリア) | 13人中4人 | 10試合 | 18位(アーカイブ) | 7 |
| エルフェアスベルク | ブンデスリーガ | 11人中8人 | 8試合 | 7位(ブンデスリーガ) | 13 |
| パーダーボルン | ブンデスリーガ | 13人中6人 | 8試合 | 14位(ブンデスリーガ) | 9 |
| シャルケ | ブンデスリーガ | 11人中6人 | 8試合 | 17位(ブンデスリーガ) | 6 |
| トロワ | リーグ・アン | 12人中6人 | 9試合 | - | 8 |
| ル・マン | リーグ・アン | 12人中7人 | 9試合 | 17位(アーカイブ) | 7 |
表は11月5日までの数字で、どの合計にも入れていない。シーズンの決着がまだついていないからだ。順位に「アーカイブ」とある行は、アーカイブの試合結果から組んだ順位表による。トロワの順位は、順位を決める基準しだいで変わるため、載せていない。
11月5日、2026年シーズンのブラジル全国選手権で、レモは19位だ。34試合で勝ち点29。同じく昇格したシャペコエンセは、33試合で勝ち点21の最下位で、ブラジルサッカー連盟(CBF)はすでに降格を確定させている。
2026年シーズンのブラジル全国選手権は38節あり、下位4クラブが2部に降格する。2026年シーズンの2部では、上位2クラブが自動で昇格し、さらに2クラブがプレーオフで昇格する。プレーオフは、3位から6位による勝ち抜き戦だ。
プレミアリーグに昇格したコヴェントリー・シティ、ハル・シティ、イプスウィッチ・タウンには、この集計の数字がない。2025-26シーズンのEFLチャンピオンシップ(イングランドの2部リーグ)の先発メンバーが、アーカイブにないためだ。ほかのクラブは、11月6〜8日に次の7試合を戦う。マラガ対ラシン・サンタンデール、ボルシア・ドルトムント対エルフェアスベルク、ホッフェンハイム対シャルケ、カリアリ対フロジノーネ、モンツァ対アタランタ、パリ・サンジェルマン対トロワ、ル・マン対モナコだ。
この集計は、どのように行ったのか?
集計は、6リーグで昇格した107クラブの先発メンバーを、1試合ずつ比べた。2026年11月5日時点のデータだ。対象は、ヨーロッパが2015-16〜2022-23シーズン、ブラジルが2018〜2023年シーズンの昇格である。これより新しい昇格と、2018年より前のブラジルの昇格は、アーカイブに先発メンバーがないので除いた。
対象は、2部の試合の90%以上、1部の試合の80%以上で、毎試合の先発11人がアーカイブにあるクラブだけだ。リーグごとに、昇格時の主力が占めた先発の枠の割合を出し、クラブを並べたときの真ん中より高いクラブを、「多く残した」クラブとした。集計をリーグ別に行うのは、ブラジルがほかより先発を入れ替えるからだ。合算すると、リーグのやり方とクラブの選択が混ざる。
数字がぶれる幅は、ブラジルで21%から31%だ。同じリーグの中でクラブを2つのグループへ無作為に分ける試行を、1万回行った。実際と同じ程度の差は、ほとんどの試行で偶然に生じた。集計が示すのは起きたことで、原因ではない。選手が去った理由も分からない。
昇格時の先発を残せば、クラブは1部にとどまれるのか?
6リーグで起きたことを見るかぎり、答えは「いいえ」だ。昇格時の先発を多く残したクラブは、多く入れ替えたクラブと同じ割合で降格した。筆者の見方では、先発を残すか入れ替えるかという議論は、決め手にならない。フォレストは11人中4人が先発の座を守り、1部にとどまった。降格は、順位表の勝ち点で決まる。
気になるのは、昇格したクラブのうち、1年目で降格するのが何クラブあるかだ。答えは「昇格組は1年目にどれだけ降格するか」にある。
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よくある質問
- 昇格したクラブは、昇格時の先発を何人残すのか?
- ブラジル全国選手権では、2部の先発の主力275人のうち71人が、1部でも同じクラブで先発の座を守った(26%、4人に1人)。対象は2018〜2023年シーズンに昇格した24クラブだ。6リーグ全体では1341人中599人(45%)で、107クラブ、2015-16〜2022-23シーズンの昇格が対象である。
- この集計でいう「先発の主力」とは?
- シーズンのチームのリーグ戦10試合中4試合以上で先発した選手だ。1試合の先発11人とは違い、1クラブの先発の主力は9〜17人になる。この定義はSoccer Addictedのアーカイブの集計のもので、6リーグで昇格した107クラブを対象にしている。
- 先発の座を守れなかった選手は、クラブを出たのか?
- 必ずしもそうではない。ブラジルでは、先発の主力275人のうち、85人はクラブに残ったが先発の主力ではなく、97人は他クラブへ移り、22人はアーカイブのどのクラブの先発にもベンチにも名前がない。集計に理由は分からず、売却、契約解除、レンタル期間の終了、けがが混ざっている。
- 昇格時の先発を残せば、1年目の降格は防げるか?
- 数字の上では、差は出ていない。6リーグで、先発を多く残した55クラブのうち20クラブが、1年目に降格した。多く入れ替えた52クラブでは19クラブだ。各グループは1リーグあたり6〜12クラブと少なく、集計は原因を証明しない。
- 2026年シーズンに昇格したクラブでは、先発の座を守っている主力は何人か?
- 2026年シーズンのブラジル全国選手権では、11月5日時点で、レモは9人中2人、シャペコエンセは12人中4人、コリチーバは13人中6人、アトレチコ・パラナエンセは12人中6人だ。どれも合計には入れていない。シーズンが終わっていないため、集計は結末を示さない。





