ホームの第1戦で1-0勝利、勝ち進んだ割合は65%
2試合で決着がつき、負ければ敗退する勝ち抜き戦を、Soccer Addictedのアーカイブで調べた。2004〜2026年、会場もスコアも問わず、第1戦に勝ったチームの82%が勝ち進んだ(4,135組中3,405組)。


2試合制のカップ戦の第1戦で、ホーム、つまり自分たちのスタジアムで戦ったチームが1-0で勝った。終了の笛が鳴り、観客はスタジアムを出ていく。早くも話題は次のラウンドだ。問いは古く、単純だ。このチームは勝ち進めるのか。
この分析は、Soccer Addictedが保存している試合のデータベース(アーカイブ)に基づく。勝ち抜き戦(2チームが2試合を戦い、負けたほうが敗退する勝負)では、第1戦が終わるたび、ファンが気になるのは同じことだ。2試合は、それぞれ第1戦、第2戦と呼ぶ。第2戦では、会場が入れ替わる。第1戦でアウェー(相手のスタジアム)だったチームが、第2戦ではホームで戦う。ふつうは、2試合のゴールを合計して多いチームが勝ち進む。
公平に比べるため、2004年から2026年までの勝ち抜き戦を、第1戦のスコアで分けた。数は5,578組である。対戦する両チームの組み合わせ1つを、1組と数える。第1戦に勝ったチーム全体では、82%が勝ち進んだ。4,135組中3,405組だ。第1戦に勝者がいた勝ち抜き戦だけを数えた。まず、第1戦をホーム、つまり自分たちのスタジアムで戦った場合を見る。ホームで1-0で勝ったチームでは、65%が勝ち進んだ(697組中456組)。次に、アウェー、つまり相手のスタジアムで戦った場合だ。アウェーで1-0で勝ったチームでは、84%が勝ち進んだ(477組中400組)。
集計の対象は、南米のクラブ最高峰の大会、コパ・リベルタドーレス(CONMEBOLが主催)と、欧州の3大会だ。3大会とも、UEFA(欧州の大会を主催する団体)の主催だ。UEFAチャンピオンズリーグ、UEFAヨーロッパリーグ、UEFAカンファレンスリーグである。ほかに、イタリアの国内カップ戦、コッパ・イタリアの準決勝も入る。5,578組のうち4,028組は予選(大会の本戦に出るチームを決める段階)だ。
集計から抜けている試合がある。2023/24シーズンの終盤にあたる、2024年2月から5月の欧州の試合だ。年によっては、決勝ラウンド(優勝を決める終盤の段階)の一部しか入っていない大会もある。対象は2026年10月19日までの試合だ。合計には、予選、決勝ラウンド、UEFAカップの1回戦が混ざる。UEFAカップは、すでに存在しない欧州の大会だ。この集計は、これらの勝ち抜き戦で起きたことを示すもので、ほかの勝ち抜き戦を予測するものではない。
スコア別、ホームとアウェー別の勝ち進んだ割合
アウェーで勝った場合は、下のどのスコアでも、10チーム中8チーム以上が勝ち進んだ。
| 第1戦のスコア(勝者のゴールが先) | ホームで勝った | アウェーで勝った |
|---|---|---|
| 1-0 | 65.4%(697組中456組) | 83.9%(477組中400組) |
| 2-0 | 88.0%(425組中374組) | 95.9%(271組中260組) |
| 2-1 | 55.9%(442組中247組) | 88.5%(304組中269組) |
| 3-0 | 96.0%(275組中264組) | 99.3%(147組中146組) |
| 3-1 | 83.3%(192組中160組) | 99.3%(143組中142組) |
| 3-2 | 51.7%(87組中45組) | 92.3%(78組中72組) |
ホームで1点差をつけた場合、1点を失ったチームは56%、失わなかったチームは65%が勝ち進んだ。表からわかるのは、失点したチームのほうが勝ち進みにくい傾向だ。失点が敗退の原因だとまでは言えない。筆者の見方では、ホームとアウェーの差の一部は、アウェーで勝つチームがたいてい強いチームだという点にある。
1点のリードでは、勝ち抜き戦は決まらない
ホームで1点差をつけた場合、スコアを問わず61%が勝ち進んだ(1,241組中759組)。2点差では85%だった(647組中551組)。次の表は、1点差、2点差、3点差以上を、ホームとアウェーで並べたものだ。
| 第1戦の点差 | ホームで勝った | アウェーで勝った |
|---|---|---|
| 1点差 | 61.2%(1,241組中759組) | 86.3%(868組中749組) |
| 1点差、決勝ラウンドのみ | 58.9%(321組中189組) | 88.0%(208組中183組) |
| 2点差 | 85.2%(647組中551組) | 97.0%(438組中425組) |
| 3点差以上 | 97.1%(615組中597組) | 99.4%(326組中324組) |
ホームで勝った場合、勝ち抜きが決まりやすくなるのは2点差からだ。対象は、Soccer Addictedのアーカイブにある勝ち抜き戦である。3点差以上では、9割を超えるチームが勝ち進んだ。筆者の見方では、1点差が最も人を惑わせる。勝ち進みが決まったように見えるのに、10チーム中4チーム近くが途中で敗退するからだ。
アウェーで1点差をつけて勝った場合は、ホームより多くが勝ち進んだ。86%である(868組中749組)。それでも119組が敗退した。決勝ラウンドだけを見ると、ホームの数字は少し下がり、アウェーの数字は少し上がる。表の2行目のとおりだ。数百組では、この差は確かなものではない。見込みの範囲とは、偶然によるブレの幅のことだ。決勝ラウンドでは、ホームが53%から64%、アウェーが83%から92%である。全ラウンドの61%と86%は、どちらの範囲にも収まる。
2022年、マンチェスター・シティは敗れる側に回った。チャンピオンズリーグの準決勝(残り4チームのラウンド)で、レアル・マドリードと当たった。第1戦は、ホームで4-3と勝った。第2戦は、レアル・マドリードが3-1で勝った。延長戦(カップ戦の一部の試合が引き分けたときに行う追加の時間)の末だった。レアル・マドリードが、2試合合計、つまり2試合のゴールの合計で上回り、勝ち進んだ。
リヴァプールも、2025年3月に同じ思いを味わった。チャンピオンズリーグのベスト16(16チームが残るラウンド)で、パリ・サンジェルマンと当たった。第1戦は、アウェーで1-0で勝った。第2戦はパリ・サンジェルマンが1-0で勝ち、2試合合計は同点になった。勝ち進んだのは、パリ・サンジェルマンだ。PK戦(引き分けた試合で、1人ずつゴールキーパーだけを相手に蹴り、決着をつける方法)を制した。
アウェーのゴールを重く見るルールがなくても、ホームの1点差はほとんど変わらなかった
ホームで1点差で勝ったチームは、アウェーゴールのルールありで62%、なしで60%が勝ち進んだ。このルールは、2試合合計が同点のとき、アウェーで入れたゴールに重みを加えるものだ。欧州の大会を主催するUEFAは、2021年6月24日にこのルールの廃止を発表した。廃止は、2021/22シーズンの予選から適用された。報道によると、CONMEBOLは2022年の大会からこのルールを使うのをやめた。コッパ・イタリアと、コパ・リベルタドーレスの決勝は除いた。この2つでは、ルールの適用が確認できなかった。
| 第1戦のあとの状況 | アウェーゴールあり | アウェーゴールなし |
|---|---|---|
| ホームで1点差で勝った | 61.6%(844組中520組) | 60.2%(387組中233組) |
| ホームで2-1で勝った | 56.5%(294組中166組) | 55.2%(143組中79組) |
| アウェーで1点差で勝った | 88.0%(598組中526組) | 82.3%(260組中214組) |
| 引き分け(第2戦はホーム) | 66.0%(1,013組中669組) | 56.4%(408組中230組) |
アウェーで1点差をつけて勝った場合、ルールなしでは、数字は約6パーセントポイント下がった。ただし、数百組では、この低下は確かなものではない。ルールありの見込みの範囲は、85%から90%だ。ルールなしでは77%から86%で、2つの範囲には重なる部分がある。引き分けのあと、第2戦をホームで戦ったチームが勝ち進んだ割合は、66%から56%へ大きく下がった。最も大きな低下は、アウェーゴールが最も勝敗を分けた場面に出ている。これはルールの働きと合う。
無得点の引き分けのあと、第2戦をホームで戦ったチームは60%が勝ち進んだ
第1戦が無得点で終わると、第2戦をホームで戦ったチームの60%が勝ち進んだ(523組中314組)。アウェーで戦ったチームは40%だった(523組中209組)。この差には落とし穴がある。コパ・リベルタドーレスと、欧州の一部のラウンドでは、第2戦のホームは成績上位のチームのものだ。成績とは、グループステージ(大会の序盤に行う、総当たりの段階)の成績である。欧州のそのほかのラウンドでは、試合の順序は抽選で決まる。
| 区分 | 第2戦をホームで戦ったチームが勝ち進んだ割合 | 見込みの範囲(95%) |
|---|---|---|
| 試合順が抽選、アウェーゴールあり | 53.7%(2,763組中1,485組) | 52%〜56% |
| 試合順が抽選、アウェーゴールなし | 49.3%(1,293組中638組) | 47%〜52% |
| 試合順が抽選、アウェーゴールなし、0-0のあと | 56.4%(117組中66組) | 47%〜65% |
| コパ・リベルタドーレス(2006〜2026年)、0-0のあと | 74.2%(62組中46組) | 62%〜83% |
| 全ての勝ち抜き戦、0-0のあと | 60.0%(523組中314組) | 56%〜64% |
スタジアムの影響を、成績上位のチームの影響から切り分ける。そのため、欧州のラウンドのうち、試合順が抽選でアウェーゴールのないものを見る。第2戦をホームで戦ったチームが勝ち進んだのは49%だった(1,293組中638組)。偶然のブレを考えると、この結果はコイントスと区別がつかない。スタジアムだけでは、影響は小さい。数字が上がるのは、アウェーゴールが有効だった場面と、第2戦のホームが成績上位のチームに与えられる場面だ。
第1戦のあとの4つの状況で、勝ち進んだ割合
この4つの状況は、アーカイブに何度も現れている。アウェーでの2-1の勝利、ホームでの同じスコアの敗戦、そして無得点の引き分けだ。引き分けは、第2戦をホームで戦う側とアウェーで戦う側の2通りがある。コパ・リベルタドーレスでは、2試合合計が同点なら、PK戦(引き分けのあと、1人ずつ蹴って決める方法)に進む。2022年以降、2026年の準決勝を除くと、143組中33組が同点に終わった。4組に1組に近い。
| 第1戦のあとの状況 | 勝ち進んだ割合 |
|---|---|
| アウェーで2-1の勝利 | 88.5%(304組中269組) |
| ホームで2-1の敗戦 | 11.5%(304組中35組) |
| アウェーで0-0の引き分け、第2戦はホーム | 60.0%(523組中314組) |
| ホームで0-0の引き分け、第2戦はアウェー | 40.0%(523組中209組) |
どの数字も、同じ状況にあったすべてのチームに当てはまる。1つのクラブのものではない。アウェーで勝ったチームは10チーム中9チーム、ホームで負けたチームは10チーム中1チームが勝ち進んだ。第1戦が無得点だった場合の60%と40%には、スタジアム、成績上位のチーム、アウェーゴールのルールが混ざっている。このルールは2021年まで有効だった。どの数字も、ある夜に誰が勝ち進むかは教えてくれない。
ファンなら誰もが、1-0の勝利を第2戦に持ち込みたい。アーカイブでは、第1戦をホームで1-0で勝ったチームの65%が勝ち進んだ。アウェーで1-0で勝ったチームでは、84%である。ただし、第2戦がこうした数字どおりに運ぶとは限らない。
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よくある質問
- 第1戦をホームで1-0で勝てば、もう勝ち進んだと言えるか?
- 言えない。対象は、Soccer Addictedのアーカイブにある2004年から2026年の勝ち抜き戦5,578組だ。第1戦をホームで1-0で勝ったチームの65%が勝ち進んだ(697組中456組)。ホームで2点差をつけた場合は85%だった(647組中551組)。
- 第1戦に勝てば勝ち進めるか?アウェーで勝った場合はどうか?
- アウェーで勝った場合のほうが、ホームで勝った場合より多く勝ち進んだ。対象は、Soccer Addictedのアーカイブにある2004年から2026年の勝ち抜き戦5,578組だ。第1戦をアウェーで1-0で勝ったチームは、84%が勝ち進んだ(477組中400組)。2-1で勝ったチームは、88%である(304組中269組)。差の一部は、アウェーで勝つチームがたいてい強いチームであることから来ている可能性がある。
- 第1戦が無得点の引き分けなら、第2戦をホームで戦うほうが有利か?
- アウェーで戦ったチームより多く勝ち進んだが、数字には複数の要因が混ざっている。Soccer Addictedのアーカイブにある2004年から2026年の勝ち抜き戦5,578組では、60%だった(523組中314組)。試合順が抽選で、アウェーゴールのルールがない場合は56%だった(117組中66組)。これはコイントスと見分けがつかない。
- アウェーゴールは、同点の決着にまだ使われるか?
- UEFAは2021年6月24日にこのルールの廃止を発表し、CONMEBOLは2022年の大会から使うのをやめた。対象は、Soccer Addictedのアーカイブにある2004年から2026年の勝ち抜き戦だ。コッパ・イタリアと、コパ・リベルタドーレスの決勝は除いた。ホームで1点差をつけたチームが勝ち進んだのは、ルールありで62%(844組中520組)、なしで60%(387組中233組)だった。
- 予選を除き、決勝ラウンドだけを見ると、数字は変わるか?
- わずかに変わる。対象は、Soccer Addictedのアーカイブにある2004年から2026年の勝ち抜き戦5,578組のうち、決勝ラウンドだ。ホームで1点差で勝ったチームは、59%が勝ち進んだ(321組中189組)。アウェーで1点差で勝ったチームは、88%である(208組中183組)。全ラウンドでは、それぞれ61%と86%である。





