FAカップ:予選ラウンドとリプレイの仕組み
2026-27シーズン、FAカップには743クラブが参加する。だが引き分けが再試合になるのは、8月から10月の予選ラウンドだけだ。公式規則と全日程、予備予選からウェンブリーの決勝まで各ラウンドの賞金を解説する。

2026年9月23日 13:41 · 1時間前 · 2分で読める

ファーナム・タウンがザ・メモリアル・グラウンドにサイレンセスター・タウンを迎える対戦は、2026年9月22日火曜の19時45分キックオフで組まれた。これは本稿の内容を一戦でそのまま体現する試合だ。FAカップ、正式名称フットボール・アソシエーション・チャレンジカップは、引き分けがまるまるもう1試合を生む余地がいまも残るイングランドの大会である。ただし、それが許されるのはウェンブリーへの道のりのうち特定の一区間に限られる。両者は9月19日土曜、予選2回戦で2-2の引き分けに終わっており、再試合がまさに火曜日に組まれる規則こそが、大会で最も有名な部分の手前にあるフェーズ全体を統べる規則にほかならない。
以下で示すのは、このピラミッド構造の全体図だ。2026-27シーズンになぜ743クラブが名を連ねるのか、14あるラウンドそれぞれで引き分けがどう解決されるのか、2024-25シーズンを境に本戦から廃止され予選だけに残った再試合はなぜそうなったのか、そして規則がラウンドごとに勝者と敗者へいくら払うのか。数字はすべて2026-27シーズンの公式規則、または日付の確認できる公開情報から取っている。FAカップは日程も対戦相手もラウンドも毎年変わるからだ。変わらないのは、その裏にある仕組みだけである。
FAカップとは何か、そしてなぜピラミッドの9部まで及ぶのか
着想が生まれたのは1871年7月20日、新聞ザ・スポーツマンの編集室でのことだ。フットボール・アソシエーションの書記だったC・W・アルコックは、協会の委員会に対し「協会と関連づけてチャレンジカップを設立するのが望ましい。それには、協会に属する全クラブが参加を招かれることになる」と提案した。第1回大会は1871-72シーズンに行われ、この事実により、FAカップは世界最古の全国規模のサッカー大会となっている。2026-27シーズンも同じ創設の原則に従っており、フットボール・アソシエーションに加盟するクラブであれば、理論上どのクラブでも大会に参加し、ウェンブリーへの到達を夢見ることができる。
この原則には限界があるが、それは政治的なものではなく技術的なものだ。規則が参加を認めるのは、イングランドのリーグ制度で9部までに属する資格を持つ全クラブであり、10部は棄権が出た際の欠員を埋める控えとして機能する。招待による出場も、閉ざされたトーナメントも存在しない。ピラミッドの9部でプレーする村のクラブも、8月の予備予選1回戦から参加する。5月にトロフィーへたどり着くには、自分より最大8部も上のクラブを、一つずつ、何の近道もなく倒していかなければならないと知ったうえでの参戦だ。
FAカップを普通のリーグ戦と一線を画すのは、賞金額ではなくこの設計そのものだ。閉ざされたリーグでは、下部ディビジョンの最下位クラブが上位ディビジョンの王者と対戦する機会は決して訪れない。FAカップでは、それは抽選とそれまでのラウンドを勝ち抜けるかどうかだけの問題になる。筆者は、これこそが最終的な賞金以上に、この大会最大のスポーツ的な財産だといまも考えている。招待もなく、閉ざされたトーナメントもなく、加盟するどのクラブにも9部まで開かれた入り口があることだ。
ピラミッドの全体像:2026-27シーズンは14ラウンド、ゼロからウェンブリーまで
予備予選1回戦から決勝までを数えると、2026-27シーズンのFAカップは14ラウンドで構成される。最初の6つ、予備予選1回戦から予選4回戦までが予選フェーズを形づくり、合計すると619試合に達する。そのすべてがイングランドのエリート勢以外のクラブどうしの対戦だ。このフェーズを終えて初めて本戦(コンペティション・プロパー)が始まり、2026-27シーズンは決着まで8ラウンドを数える。これは文字どおりの漏斗だ。2026-27シーズンには数千人の選手が、テレビで世界中に届けられる大会区間へ入るための32枠を争う。
| ラウンド | 日付 | 出場クラブ | 新規参入 | 前ラウンドから勝ち上がり | 試合数 | 敗者の賞金 | 勝者の賞金 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 予備予選1回戦 | 2026年8月8日 | 9部および8部の一部 | 438 | - | 219 | 375ポンド | 1125ポンド |
| 予備予選2回戦 | 2026年8月22日 | 8部の残り | 53 | 219 | 136 | 481ポンド | 1444ポンド |
| 予選1回戦 | 2026年9月5日 | 7部 | 88 | 136 | 112 | 750ポンド | 2250ポンド |
| 予選2回戦 | 2026年9月19日 | ナショナルリーグ・ノースおよびサウス | 48 | 112 | 80 | 1125ポンド | 3375ポンド |
| 予選3回戦 | 2026年10月3日 | 新規参入なし | 0 | 80 | 40 | 1875ポンド | 5625ポンド |
| 予選4回戦 | 2026年10月17日 | ナショナルリーグ | 24 | 40 | 32 | 3125ポンド | 9375ポンド |
どの行の裏にある計算も同じだ。そのラウンドの新規クラブ数と前ラウンドの勝者数を足し、2で割れば、それが試合数になる。前ラウンドの勝者がまだ存在しない2026-27シーズンの予備予選1回戦では、438の新規クラブを2で割った219試合となる。その4ラウンド後、予選3回戦には新規クラブがまったく加わらない。予選2回戦を勝ち上がった80クラブを2で割った、同じ40試合を、FAは2026年9月21日に10月3日の週末に向けて抽選した。
2026-27シーズンの予選ラウンド6つは、それぞれピラミッドの新しい階層を上から順に迎え入れる。予備予選1回戦は9部と8部の一部に門戸を開き、予備予選2回戦で8部が出そろう。予選1回戦は7部を迎え、サイレンセスターとファーナムが対戦する予選2回戦は、ナショナルリーグ・ノースとナショナルリーグ・サウス、つまり6部を迎える。ナショナルリーグそのもの、すなわちプロ制度の外では最上位にあたる5部が加わるのは予選4回戦のみで、新たな階層が加わるたびに、8月から戦ってきたクラブへの重圧が増していく。
直接参加するクラブ:92の免除クラブと、2026-27シーズンにピラミッドを駆け上がる651クラブ
2026-27シーズンの公式規則は、本戦を2つの出どころの合計として定義している。「プロフェッショナル・ゲーム・ボードによって選ばれ、予選競技会への出場を免除された」92クラブと、予選フェーズを生き延びた32クラブだ(規則第44条)。この式の反対側に立つのが、2026-27シーズンではイングランドの制度の5部から9部にあたる651クラブで、6つのラウンドを通じてまさにこの32枠を争う。実際には各枠でおよそ20クラブがぶつかり合う計算になる。651を32で割ると20をわずかに上回る数字になるからだ。
免除される92クラブは、一斉には参加せず、格の大きく異なる2つの集団に分かれて加わる。そのうち48クラブ、EFLリーグ1の24クラブとEFLリーグ2の24クラブは、2026年11月7日に予定される本戦1回戦からすでに参加する。予選フェーズを生き延びた32クラブを迎えるか訪れるかして、本戦開幕ラウンドの40試合を締めくくるのがこの48クラブだ。入場料収入に頼り予算も厳しい下位プロクラブと、8月から漏斗全体をくぐり抜けてきたクラブとが初めて相まみえる瞬間である。
残る44クラブ、プレミアリーグの20クラブとチャンピオンシップの24クラブは、2か月遅れて2027年1月9日に予定される本戦3回戦でようやく参加する。直近の実例がこの規則を裏づけている。2025-26シーズン、チェルシーは「プレミアリーグのクラブとして」まさにこの段階でシーズンの初戦を迎え、チャンピオンシップのチャールトン・アスレティックをアウェーで5-1と下した。理屈のうえでは、エリートクラブは本戦3回戦、4回戦、5回戦に準々決勝と準決勝を加えたわずか5ラウンドだけを戦い、2026-27シーズンの決勝にたどり着くことも可能だ。
3つの「ウィンドウ」という仕組み:なぜ再試合の既定日は火曜なのか
予選フェーズの各ラウンドは、最大3つの「ウィンドウ」で構成される(規則第51条)。本戦は別の規則に従い、土曜日が既定日となる(規則第68条)。第1ウィンドウは金曜から日曜までで、その週末のオリジナルの試合を集める。第2ウィンドウは翌週の月曜から木曜までで、第1ウィンドウで引き分けたクラブの再試合を受け持ち、既定日は火曜日、または延期になった試合もここに入る。第3ウィンドウはその翌週にあたり、第2ウィンドウで再び引き分けたクラブの再試合、またはさらなる延期のために存在する。これは二重の物差しだ。引き分けだけでなく、悪天候やピッチ不良、警備上の問題も、この物差しで裁かれる。
ウィンドウが解決する2つの事柄は、分けて考える価値がある。規則は再試合と延期を、解決のカレンダーは同じでも別の問題として扱っているからだ。再試合はある結果、すなわち引き分けから生まれる。延期は、予定されていた試合を妨げる不測の事態から生まれる。両者が同じ日程枠を奪い合うのは、論理が同一だからだ。欠けている試合は次のウィンドウに、できれば火曜日に収まる。勝者を待つ側の日程をこれ以上押し込まないためである。
| ウィンドウ | 時期 | 何が行われるか |
|---|---|---|
| 第1ウィンドウ | 金曜から日曜まで | そのラウンドのオリジナルの試合 |
| 第2ウィンドウ | 翌週の月曜から木曜まで | 第1ウィンドウで引き分けたクラブの再試合(既定日:火曜日)、または第1ウィンドウで延期になった試合 |
| 第3ウィンドウ | その翌週の月曜から木曜まで | 第2ウィンドウで引き分けたクラブの再試合、または延期になった再試合 |
火曜日を既定日と定めているのは規則第59条だ。「第1ウィンドウで引き分けに終わった大会の試合の再試合について、既定日は第1ウィンドウの直後にあたる火曜日とする」。サイレンセスター・タウンとファーナム・タウンにまさにこのとおりのことが起きた。オリジナルの試合は2026年9月19日土曜、予選2回戦の第1ウィンドウ内に組まれ、2-2の引き分けが自動的に再試合を翌週の火曜、9月22日19時45分、ファーナムの本拠地ザ・メモリアル・グラウンドへと押し出した。会議室での判断は一切ない。ただカレンダーがひとりでに回っているだけだ。
引き分けの物差し、フェーズごとに見る
再試合はどのフェーズでも使える手段ではない。規則第86条は明快だ。「予選4回戦までの大会の試合が引き分けに終わった場合、その試合は再試合とする」。条文はまさにそこで止まっている。本戦1回戦以降、テレビが追いかける区間をすべて含めて、その選択肢はもう存在しない。これは二強がぶつかる話題の一戦であっても変わらない。引き分けで終われば、2試合目はなく、相手の本拠地への訪問もない。
引き分けがなお続く場合(予選フェーズの再試合、または本戦のどの試合でも)、規則はそのまま延長戦へ進む。「30分間の延長戦(15分ずつの同じ長さの2つのハーフ)がおこなわれる」、そして「30分間の延長戦の後もスコアが並んだままであれば、勝者はPK戦で決定する」(規則第87条)。これはFIFAワールドカップやUEFAチャンピオンズリーグと同じ方式だ。同じ試合の中で延長戦とPK戦をおこない、2試合目は控えていない。
| フェーズ | 再試合はあるか | 引き分けの決着方法 |
|---|---|---|
| 予選フェーズ、予備予選1回戦から予選4回戦まで | ある、義務 | 再試合で30分の延長戦とPK戦 |
| 本戦、1回戦から準々決勝まで | 2024-25シーズン以降は存在しない | 同日に30分の延長戦とPK戦 |
| 準決勝と決勝 | もともと存在しない(一発勝負、中立地) | 30分の延長戦とPK戦 |
再試合が消えた場所、そして2024-25シーズン以降そこに残ったもの
この変更には日付と公式の出どころがある。2024年4月18日、フットボール・アソシエーションはフォーマットを刷新する発表をおこなった。「本戦1回戦以降、大会は再試合なしでおこなわれる」。発表文は、この変更の背景にあるプレミアリーグとの合意の期間も確認している。「合意は最短6年間で、翌シーズンから始まる」、つまり2024-25シーズンからだ。これはFA単独の決定ではなかった。両者は欧州の日程に空きが減るなか、イングランドの全大会を同時に強化する方法を、数か月かけて協議した。
公表された理由は日程だ。5回戦以降はすでに何年も前から再試合がなかった。2024-25シーズンの新しさは、このルールを本戦全体に広げた点にあり、背景には拡大されたUEFAチャンピオンズリーグとUEFAヨーロッパリーグが、欧州シーズンを通じて火曜から木曜の日程をより多く占めるようになったことがある。その代わりとして、本戦の全ラウンドが専用の週末を得るようになった。同じ土曜か日曜にプレミアリーグの試合が組まれることはなく、それは決勝そのものについても同様だ。
シーズン全体を組む側の視点に立てば、論理は筋が通っている。余分な試合が減り、負傷のリスクが下がり、欧州カップ戦を戦うクラブにとって日程の見通しも立てやすくなる。だが、その代償はいつものように持たざる者にのしかかった。格上相手にホームで引き分けた小さなクラブは、より高いチケット代とより大きなスタジアムが待つアウェーでの再試合を稼ぐ機会を失った。ウェンブリーへ上る階段が一段減ったのだ。筆者は、FAは日程では正しい判断をし、その埋め合わせでは判断を誤ったと考える。本戦から消えた再試合は、規則のどこにも追加収入として戻ってきていない。
実際のところ、本戦1回戦以降に再試合の代わりとなったのは、他のどのフェーズでも引き分けを決するのと同じ30分の延長戦、同じPK戦だ(規則第87条)。ただし、まるまる2試合目という前段はない。これこそが本稿の名前の由来となった、まさにその境界線である。予備予選1回戦から予選4回戦までは、引き分けがまだ完全な再試合を買う。本戦1回戦以降は、1月に直接参加するプレミアリーグのクラブにとってさえ、引き分けが買えるのはあと30分だけだ。
9月21日の抽選:予選3回戦はすでに日程が決まっている
2026年9月21日、FAは予選3回戦の抽選を確定させた。2026年10月3日の週末に向けた40試合で、勝ち上がる側は5625ポンド、敗退する側は1875ポンドを手にする。これは予選フェーズ全体を貫く、規則第280.1条が定める75対25の同じ配分だ(5625ポンドは、対戦する両クラブ分を合わせた7500ポンドのちょうど75%にあたる)。この抽選は、本稿が取材された2026年9月22日の時点における、大会の最新の姿である。
この抽選のすべての対戦カードで、両サイドがすでに確定していたわけではない。40試合中11試合(27.5%)は、抽選の時点でまだ、予選2回戦の未消化の再試合の結果待ちだった。その一つが第27試合、マーサー・タウンまたはトゥルーロ・シティ対サイレンセスター・タウンまたはファーナム・タウンで、これはまさに本稿の冒頭を飾った一戦にほかならない。抽選では、10月に予定された第27試合のその枠が、9月22日に組まれた再試合の勝者、つまりファーナムかサイレンセスターのどちらかに割り当てられた。
2026-27シーズン、各ラウンドの賞金:予備予選からウェンブリーまで
2026-27シーズンでは、規則第280.1条が定める勝者75%・敗者25%という配分は、最も安いラウンドから最も高いラウンドまで、予選フェーズ全体に適用される。予備予選1回戦では、両者合わせて1500ポンド(1125ポンドと375ポンド)になり、1125ポンドはここでもちょうどその75%にあたる。この比率は決して変わらず、変わるのは規模だけだ。2026-27シーズンでは、予選3回戦の勝者の賞金5625ポンドは、予備予選1回戦のそれのちょうど5倍であり、同じ倍率が両ラウンドの敗者の賞金、1875ポンド対375ポンドの差を分けている。
| ラウンド | 勝者の賞金 | 敗者の賞金 |
|---|---|---|
| 予備予選1回戦 | 1125ポンド | 375ポンド |
| 予備予選2回戦 | 1444ポンド | 481ポンド |
| 予選1回戦 | 2250ポンド | 750ポンド |
| 予選2回戦 | 3375ポンド | 1125ポンド |
| 予選3回戦 | 5625ポンド | 1875ポンド |
| 予選4回戦 | 9375ポンド | 3125ポンド |
| 本戦1回戦 | 4万7750ポンド | 1万5800ポンド |
| 本戦2回戦 | 7万9500ポンド | 2万1200ポンド |
| 本戦3回戦 | 12万1500ポンド | 2万6500ポンド |
| 本戦4回戦 | 12万7000ポンド | 該当なし |
| 本戦5回戦 | 23万8500ポンド | 該当なし |
| 準々決勝 | 47万7000ポンド | 該当なし |
| 準決勝 | 106万ポンド | 53万ポンド |
| 決勝 | 212万ポンド | 106万ポンド |
最初のラウンドと最後のラウンドの間にある階段は目もくらむほどだ。決勝の勝者は212万ポンドを手にする。大会の初戦にあたる予備予選1回戦の勝者が手にするのは1125ポンドだ。ウェンブリーで受け取る5月の小切手と、8月の小切手との差は1884倍を超える。それでも、アマチュアクラブに支払われるその最初の1125ポンドは、すでに現実のお金だ。ピラミッドの9部のクラブにとって、1125ポンドは運営費まるまる1か月分になりうる。
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本戦3回戦以降、大物クラブがすべて出そろった段階になると、規則は財政の天秤を、試合の勝ち負けにかかわらず彼らを迎えるか訪れるかする側に傾ける。規則第230.2条は、本戦3回戦から準々決勝までの間で「プレミアリーグまたはEFLに属さないクラブ」と「プレミアリーグまたはEFLに属するクラブ」が対戦する場合、試合の純収入をこう分けると定めている。外部のクラブに55%、エリートクラブに45%。これは、試合が大物クラブの本拠地で行われる場合でも変わらない。
準決勝では論理が変わる。2試合分の収入が合算され、58.5%が4つの準決勝進出クラブに、32.5%がFAに、9%が「プール」、すなわちグラスルーツ・サッカーに還元される基金に渡る(規則第243条)。決勝では、決勝進出クラブ自身は入場料収入を一切受け取らない。90%がFAに、10%がプールに渡る(規則第244条)。2026-27シーズンに14ラウンドを勝ち上がった末、ウェンブリーにたどり着くクラブは、その土曜に売れたチケットではなく、賞金の表によってすでに取り分を確保している。
| 状況 | 試合純収入の配分 |
|---|---|
| 同じ水準のクラブどうしの通常の試合 | 各クラブ50% |
| 本戦3回戦から準々決勝まで(2026-27シーズン規則第230.2条)、プレミアリーグまたはEFLに属さないクラブ対プレミアリーグまたはEFLに属するクラブ | 外部のクラブに55%、プレミアリーグまたはEFLのクラブに45% |
| 準決勝、2試合分を合算 | 4つの準決勝進出クラブに58.5%、FAに32.5%、プールに9% |
| 決勝 | FAに90%、プールに10%。決勝進出クラブは入場料収入を一切受け取らない |
快進撃の列車がいまも脱線しうることを証明した番狂わせ
ラウンドとパーセンテージをめぐるこの仕組みすべては、2026年1月10日のような瞬間のために存在している。その土曜、2025-26シーズンの本戦3回戦で、マクルズフィールドがクリスタル・パレスを2-1で下した。FA自身がこの結果をエミレーツFAカップ史上最大の番狂わせと評し、マクルズフィールドは「リーグピラミッドで117の差」を乗り越えて前回覇者を打ち破り、「プロ制度の外にあるクラブとして108年ぶりに王者を破った最初のクラブ」になったと述べた。
直近のタイトル保持者
直近のタイトルを掲げたのはマンチェスター・シティだ。2026年5月16日、ウェンブリーでの決勝でチェルシーを1-0で下し、後半27分にアントワーヌ・セメニョが決勝点を挙げた。クラブ史上8度目のこの大会でのタイトルであり、シティにとって4大会連続の決勝進出でもあった。4大会連続で決勝に進んだのはシティが史上初めてのクラブだ。いま予選フェーズが進行中の次回大会、2026-27シーズンの決勝はすでに日程が決まっており、2027年5月22日、こちらもウェンブリーでおこなわれる。
FAカップで決勝に4大会連続で進出することには、マンチェスター・シティが成し遂げるまで前例がなかった。ホームアンドアウェーのない一発勝負のノックアウト方式は、早かれ遅かれどんな優勝候補も罰するはずのフォーマットだからこそ、なおさらだ。シティが4大会連続を成し遂げたとして、その理由は本稿にあるどの規則にもない。理由は選手層にある。規則は、シティも、予備予選1回戦からすでに出場する免除なしのクラブも、ピッチに足を踏み入れた瞬間からまったく同じように扱う。
好奇心をそそる規則の細部
FAカップでプレーできる最低年齢は、非プロ制度、すなわちナショナルリーグ・システムに属するクラブが関わる試合では満16歳だ(規則第97条)。両クラブともこの制度に属さない場合に限り、最低年齢は進行中のシーズンの8月31日時点で満15歳まで下がる(2026-27シーズン規則第98.1条)。2026-27シーズンの規則自体がその実例を挙げている。今回の大会では、選手は2011年9月1日より前に生まれている必要がある。理屈のうえでは、このものさしがあれば、同じ国の別の大会ではまだユース年代を戦い、大人との対戦がまったくないはずのティーンエイジャーが、2026-27シーズンの予選フェーズにすでに出場できたことになる。
8月の予備予選1回戦だけに参加し、同じ規模、同じ地域リーグのライバルと対戦する438クラブこそが、ピラミッドの本当の土台であり、規則が参加を認める9部と8部の一部にあたる。始まる前に棄権するクラブが出れば、10部が控えとして交代に備えている。2026年8月のその最初の土曜日と、2027年5月にウェンブリーでおこなわれる決勝との間の距離は、14のラウンドで測られる。だが、そのすべてに挑む権利は、毎年、1871年の同じ創設の原則から生まれている。フットボール・アソシエーションに加盟するクラブなら、どこでも参加できるという原則だ。
冒頭と第27試合をめぐる箇所では、ファーナム・タウン対サイレンセスター・タウンの再試合を「火曜日のこの日」「この火曜」と書いていましたが、この表現は日付が過ぎると成り立ちません。現在は予定日の9月22日を示しています。また、ファーナムが勝てば10月の対戦相手がはっきりするとしていましたが、抽選の時点では第27試合のもう一方の枠も未確定だったため、この一文は削除しました。
- The FA: Emirates FA Cup round dates for the 2026-27 season
- Farnham Herald: FA Cup: Farnham Town face replay after second qualifying round draw at Cirencester
- The FA: Rules of The FA Challenge Cup Competition Season 2026-27
- The FA: The draw has been confirmed for the Emirates FA Cup third round qualifying
- The FA: The Emirates FA Cup 3Q
- Wikipedia: 2026–27 FA Cup qualifying rounds
- Wikipedia: 2026 FA Cup final
- The FA: Clubs confirmed for 2026-27 Emirates FA Cup, FA Youth Cup, FA Trophy and FA Vase
- The FA: Superb Macclesfield FC knock out Crystal Palace in all-time Emirates FA Cup upset
- Wikipedia: 2026–27 FA Cup
- The FA: New FA Cup format revealed for 2024-25 including calendar update and increased grassroots…
- Wikipedia: FA Cup
よくある質問
- FAカップにリプレイ(再試合)はあるか?
- 予選4回戦までに限られる。本戦1回戦以降は、プレミアリーグの試合を含めて2024-25シーズン以降再試合はなく、引き分けは同日に30分の延長戦とPK戦へ直行する。2026-27シーズンの予選フェーズの再試合として、ファーナム・タウンとサイレンセスター・タウンの一戦が9月22日に予定されている。
- FAカップには何チームが参加するのか?
- 2026-27シーズンは743クラブで、前シーズンの747クラブから減っている。このうち2026-27シーズンでは651クラブが予選フェーズから参加し、イングランドのピラミッドの5部から9部にあたり、本戦1回戦の32枠を争う。残る92クラブ、プレミアリーグ、チャンピオンシップ、EFLリーグ1、EFLリーグ2は、このフェーズを免除される。
- FAカップのリプレイ(再試合)とは何か?
- 引き分けに終わった試合をまるごとやり直すもので、最初の試合でアウェーだったクラブの本拠地でおこなわれる。存在するのは予選4回戦までだ。既定日はオリジナルの試合の翌週の火曜日で、この規則によって、9月19日に2-2で引き分けたサイレンセスター・タウンとファーナム・タウンは、9月22日に再試合をおこなうことになった。
- FAカップはなぜリプレイ(再試合)を廃止したのか?
- フットボール・アソシエーションは2024年4月18日、本戦1回戦以降は再試合なしで決着をつけると発表した。欧州の日程がより過密になったことを背景に、プレミアリーグとの最短6年間の合意の一環としての変更だ。その代わりに、引き分けはすべて同日の延長戦とPK戦で決着する。
- FAカップで優勝するといくらもらえるのか?
- 決勝の勝者は212万ポンドを手にする。その階段は、8月の予備予選1回戦の勝者がもらう1125ポンドから始まり、本戦1回戦の4万7750ポンド、準決勝の106万ポンドを経ていく。賞金はラウンドに応じて、常に勝者と敗者の間で分けられる。
- プレミアリーグのクラブはいつFAカップに参加するのか?
- 2026-27シーズンでは本戦3回戦から、チャンピオンシップのクラブと一緒に参加する。合わせて44クラブが、6つの予選ラウンドを免除される。2026-27シーズンでは、このラウンドは2027年1月9日に予定されている。たとえばチェルシーは、2025-26シーズンをまさにこの形で開始し、チャールトン・アスレティックを5-1で下した。






